歯を抜くことになったとき、多くの方が口にされるのが「このあと、どうなるの?」という一言です。
なんとなく、入れ歯とかブリッジとか、そんな言葉は聞いたことがあるけれど…。
そんな人も多いと思います。
それは、決して他人事ではない自然な不安。
歯は毎日つかう大切なものですし、抜けたあとにどんな選択肢があるのか、どれが自分に合っているのか——わからないことが多いのは当然です。
今回は、そんな「歯を失ったあとの選択」について、少しだけお話しさせてください。
もし今、似たような場面にいる方がいたら、このコラムが少しでもお役に立てれば幸いです。
選択【1】:義歯(入れ歯)
「入れ歯」と聞くと、お年寄りが付けるもの、と何となく抵抗を感じる方もいらっしゃるかもしれません。
しかし、その風潮は変わりつつあります。
最近は、見た目も使い心地もぐんと進化していて、ぱっと見では入れ歯とわからないようなものもあります。金属を使わず、目立ちにくいバネも含めて全て国産の材料で、全工程を日本で製作された、「ジャストフィットデンチャー」など、選べる幅も広がっています。
メリットは、歯ぐきの状態を問わず対応できることと、比較的短期間で治療が完了することです。費用も抑えやすい方法です。
一方で、取り外しが必要だったり、慣れるまでに少し時間がかかることもあります。
選択【2】:ブリッジ
ブリッジは、失った歯の両隣の歯を支えにして「橋をかける」ように人工の歯を装着する方法です。
固定式なので違和感が少なく、見た目も自然に仕上がるため、長年選ばれてきた治療法でもあります。
しかし、支えとなる両隣の歯を削る必要があるため、健康な歯に手を加えることへの抵抗がある方も少なくありません。また、土台の歯に負担がかかる場合もありますので、慎重な検討が必要です。
選択【3】:インプラント
インプラントは、失った歯の部分のあごの骨に人工の歯根を埋め込み、その上に人工歯を取り付ける治療法です。
周囲の歯を削らずに、見た目も機能も自然に近い状態を目指せるのが特徴です。
噛み心地もよく、「しっかり噛めるようになった」とおっしゃる方が多い一方で、外科手術が必要であること、費用や治療期間がやや大きくなることなど、越えるハードルがいくつかあります。
外科手術と聞くと、「インプラントに興味はあるけど、ちょっと怖い」という声もよく聞こえます。
そういう時は、まずは「怖いと思ってしまう理由」を一緒に探すことから始めていければ、と思っています。
どれを選んでも、間違いではありません
どの方法にも、それぞれの「良さ」と「注意点」があります。
そして、何よりも大切なのは、それが「今のあなたに合っているかどうか」ということです。
年齢、生活スタイル、ご予算、お口の状態、何を大事にしたいか——選び方の軸は人それぞれ違って当然です。
ですから、正解はひとつではありませんし、「これしかダメ」という決まりもありません。
わたしたち歯科医院の役割は、情報をできるだけわかりやすくお伝えすることです。
選ぶことに迷ったとき、選んだあとに不安になったとき、隣で一緒に考えられる存在でありたいと思っています。
最後に
歯を失うということは、少なからず心に影響を与えるできごとです。
だからこそ、治療の選択は「口の話」であると同時に、「人生の話」でもあると思うのです。
どんな選択でも、あなたが前を向いて笑える日常に繋がるように。
そんな気持ちで、私たちは日々診療に向き合っています。
もし、悩んでいることがあれば、どんな小さなことでもご相談ください。
皆様の来院をお待ちしています。
当院のご予約は下記URLよりお願いします。
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