スーパーやドラッグストアの棚にずらりと並ぶ歯磨き粉。
毎日なんとなく使っていて、無くなったなぁと思いスーパーに行って、何となく目に付いたものを買っていませんか?
しかし歯磨き粉は、自分の口の中の悩みや気になることに合わせて選べるアイテムなのです。
パッケージをよく見てみると、実に多くのアピールポイントを見つけることができます。
「ホワイトニング」「知覚過敏」「殺菌力」
――気になる言葉はたくさんあるけれど、自分に本当に合うものが何なのか、よくわからない。
本日のコラムが、そんな時の「小さなモヤモヤ」を解消するヒントになれば幸いです。
「 歯磨き粉の「目的」
大まかに言えば、歯磨き粉は次のような目的にあわせて作られています。
・むし歯予防
・歯周病(歯槽膿漏)予防
・知覚過敏ケア
・ホワイトニング(着色汚れの除去)
・口臭ケア
・口内の殺菌や清涼感
つまり、「歯磨き粉=どれか一つを選ばなきゃいけないもの」ではなく、自分の気になる悩みにあわせて選んでいい、ということです。
しかも、最近はいくつかの効果を兼ね備えたタイプも増えてきています。
代表的なタイプを紹介
では、具体的にどう選べばいいのか、いくつか代表的なタイプを紹介します。
1.むし歯が気になる方向け
むし歯予防を重視したい方には、フッ素(フッ化ナトリウムなど)が入っているものを選ぶのがおすすめです。
フッ素には、歯のエナメル質を強くし、むし歯の原因菌の働きを抑える効果があります。
実は日本の市販歯磨き粉のほとんどにフッ素は入っているのですが、「高濃度フッ素配合(1450ppmなど)」と書かれているものは、よりむし歯予防に力を入れているタイプです。
2.歯ぐきからの出血が気になる方向け
歯ぐきが腫れたり、歯を磨いたときに血が出たりするのは、歯周病の初期症状かもしれません。
そんな時は、「歯周病予防」や「歯槽膿漏に」と書かれているものを選びましょう。
薬用成分としては、グリチルリチン酸やトラネキサム酸、塩化セチルピリジニウム(CPC)などが含まれていることが多いです。これらは炎症を抑える働きがあります。
3.冷たいものがしみる方向け
冷たいものがしみる原因の一つは、知覚過敏です。
知覚過敏のケアには、「硝酸カリウム」や「乳酸アルミニウム」といった成分が配合された歯磨き粉が効果的です。
これらは、歯の神経への刺激を和らげてくれる役割があります。
症状が軽い場合は、歯磨き粉だけでかなり楽になる方も多いので、ぜひ試してみてください。
4.白い歯をめざしたい方向け
「ホワイトニング」という言葉は、ちょっと特別感がありますよね。
市販の歯磨き粉に含まれるのは「着色汚れの除去を助ける」タイプが多く、歯を薬剤で漂白するわけではありません。
でも、コーヒーや紅茶、ワインなどの色素汚れを毎日のケアで落とすには十分な効果が期待できます。
歯にやさしい成分で研磨力を抑えたものもあるので、選ぶときは「低研磨」や「エナメルケア」といった言葉にも注目してみてください。
5.口臭が気になる方向け
口臭ケア用の歯磨き粉は、抗菌作用や清涼感のある成分(例えばCPCやラウリル硫酸ナトリウム、メントールなど)を含んでいるものが多いです。
ただ、根本的な口臭の原因が歯周病や舌苔(ぜったい)という舌にたまる汚れにある場合は、歯磨き粉だけでなく、歯間ブラシや舌クリーナーを併用すると効果的です。
毎日使うものだから
ここまでいろいろな種類を紹介してきましたが、最後に大切にしたいのは「自分にとって心地いいかどうか」という感覚です。
例えば、ミントが強すぎるとツンとしすぎて苦手、泡立ちが少ない方がしっかり磨ける気がする、チューブのデザインが気に入っているから使いたくなるなど、そういう「小さな好み」は、とても大切です。
毎日、朝と夜に続けていくものだからこそ、無理なく、気持ちよく続けられることが一番です。
最後に
「歯磨き粉なんて、なんでもいい」と思っていたのが、少しだけ変わるきっかけになれたなら嬉しいです。
「今の自分にちょっと合うもの」を探してみるだけで、毎日のケアが少しだけ前向きになります。
そんな小さな一歩に、このコラムが寄り添うことができたのなら、幸いです。